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愛媛ツウのおススメスポット!

美食ツアー『いもたき』編

雰囲気満点の「元祖大洲のいもたき」

■「いもたき」という言葉の響きから思い浮かべる子ども時代の食卓。
 60年も前のことだが東京オリンピックが開催されることで登場したテレビ、もちろん白黒だが。それに小さいながらも冷蔵庫も加わり当時の家庭の食卓は劇的に進化した。その様子は、既に古希を過ぎた筆者の脳裏に今でもはっきりと焼き付いている。

 あまり広くない畑では、お袋が1本の茎がひゅ~っと伸びて広い葉っぱがうなだれている「サトイモ」を作っていた。今日のように食生活が豊かな時代ではなかったため、筆者の子ども時代のおやつは「いもの煮っ転がし」だった。今で言う「いもたき」だ。「腹減った」と訴えるとお袋からは「待てんのやったらなべの蓋開けていもでも食べとけ」とよく言われたものだ。だが、このなべが冷蔵庫に入れてあった。「冷えたいもたき」の美味いこと、この時期の定番メニューでもあった。当時は、筆者宅に限らずこうした生活が普通のことだった。つまりこの大洲地域では、サトイモをメインの食材とした「いもたき」が夏の終わりから晩秋にかけての食卓を飾るメインメニューだったのだ。

黄昏時、河原でいもたきを囲む
群青に染まる河畔に篝火登場

■歴史を振り返る・・・
 粘り気が強くホクホクとした食感、甘くておいしい大洲名産の夏芋(里芋=サトイモ)を使った伝統料理の「大洲のいもたき」。栽培する畑がどれほど肥えた土壌であるかが大きな影響を与えるが、他地域で栽培されたサトイモを使った「いもたき」は食べ比べたらその違いははっきり分かるし色まで違っていた。これは少なくとも子ども時代から舌にそのうまさが染みついているからかもしれない。
 「いもたき」そのものは、藩政時代の住民の親睦行事であった「お籠り」が始まりであったとされ、大洲の秋の風物詩として今日に受け継がれている。元祖と謳われる所以はここにあり、江戸時代の初め頃に米子からやってきた加藤家が、津和野付近での食文化を大洲へ持ち込んだのではないか・・・そう考えるといもたきからロマンが溢れ秋の夜長を楽しむことができる。

大洲城を観ながら・・・
今年は9月8日が満月

■大洲のいもたきを河原でいただく。
 この光景も随分歴史を積み重ねているが1グループ5人以上でお申し込みいただける。午後の遅い時間帯に「お舟めぐり」で屋形船に乗り初秋の河畔の景色に包まれる。涼しい河風を受けて心の洗濯をしておくと、その日の夕暮れからのいもたきはさらに美味しさが増す。少し歯ごたえのある「皮付き鶏肉」は口に入れると甘めの出汁が染み出て口の中に拡がる。続いてアゲをいただく。これにまた出汁がたっぷり染みこんでいる。ここで少々ぶつ切りのこんにゃくをいただき、少し間を置いていよいよサトイモをいただく。甘めの出汁をいったんこんにゃくをいただくことで仕切り、最後にサトイモをいただくとこれがまた絶妙なのだ。正に口の中でのサトイモ転がしである。

仲間と大鍋をつつく・・・
少し肌寒くてもほくほくが良い・・・

■楽しみ方情報
 道後温泉からは、公共交通機関なら予讃線の特急宇和海号で40分ほどで伊予大洲へ。事前のご予約必須だが「伊予灘ものがたり」で午前10時30分前後に伊予大洲へ入り、昼間の間に大洲城~城下町散策、臥龍山荘、盤泉荘などを巡って午後にお舟めぐり、そして河原でいもたきという設定も可能だ。

 一方、レンタカーを使用しての動きなら、最初に大洲に限らず先月ご紹介した宇和島市津島町の「横吹渓谷」まで脚を伸ばし、少し早めに出て宇和島城を観覧、西予市宇和町で四国霊場43番札所の明石寺に立ち寄ってから夕刻に大洲のいもたきという計画も可能なのでご相談いただきたい。

・大洲到着後の散策ツアー問合せ窓口など
 リンク いもたき情報発信サイト(大洲市)
  河原でのいもたきは「5名以上のグループ」から。
  料金は2,750円~3,300円(1人あたり)/ 飲み物持ち込み可
  「いもたき登録店」によって内容が異なるので事前に確認が必要。
  うかいでいもたきをいただくことができる。
   うかい船上食4,400円+いもたき1,100円(1人あたり)
   ただし貸切船のみ対応、乗船料別途必要。
   この料金でうかいに「いもたき鍋」を積み込んでくれる。
   対応は9月20日終了。
  お申し込みお問い合わせは上記情報発信サイト等に掲載されている。
  ※河原でのいもたきは「いもたき登録店」へ直接申し込むこと。
  ※河原でのいもたきは10月中旬終了。
 いもたきのごあんないチラシ(PDF) 

・城下町大洲での散策設定などについてのお問い合わせ
 大洲観光総合案内所   Tel.0893-57-6655

では9月も素敵な旅を♬

Mr.K



2025年9月1日(月曜日)

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